RPAっていう、コンピューターの中のロボット?

ロボティクス·プロセス·オートメーション(RPA)って言葉、知っていますか。

最近、人の作業を自動化する方法として、かなり注目されています。


最初に、RPAは文字通りロボットです。指示したとおりにしか動きません。もちろんロボットにも使いみちはあります。ですが、人と違って融通のきかないロボットを使いこなすには、プログラミング能力が必須と思います。無駄な投資にならないよう、使う側のスキルを把握してから導入を検討ください。AI(人工知能)なんて言葉もよく耳にしますが、人のように臨機応変の判断ができるプログラムは、未だありません。ディープラーニングで使用するニューラルネットワークも、犬か猫かを判断する、より精度よく分類ができるようになった分類装置に過ぎません。それも教えた範囲内だけですので、人間の判断の柔軟さには遠く及びません。



ここから、本題のRPAの話です。

RPAなんていうと難しい言葉と思うかもしれませんが、要は、人がコンピューターの画面上でやっていた操作を、コンピューターに教え込んで、自動でやらせてしまうというものです。

面白いと思ったので、ちょっと紹介します。

コンピューターの画面上で、データをコピーして、別の場所に貼り付けるような作業をイメージしてください。

例えば、Excelを開いてそのデータを、別に開いた別のソフトの画面にコピペするとか、ブラウザで検索して表示している情報をコピペでExcelに貼り付けるとか。

 

まずは、どんな感じなのか、動かしてみたので以下の動画を見てください。

動作は、以下の順に行っています。

  1. Excelファイルの最初の状態を表示し、閉じる(手作業)
  2. ここからRPAで自動化された動作開始(0:12~)
  3.  Edgeを起動して、あらかじめ決めていた値を入力し、登録
  4.  ひきつづき

  5.  Excelを起動して、Sheet1に書かれたデータを読み込む

  6.  IEを起動して、読み込んだデータに書かれている値を使って、登録

  7.  登録後発行されたIDを、Excelに書き込む

  8.  Excelにはデータが4件書かれているので、合計4回の登録とIDの書き込みを行う

  9. ここまでRPAの動作終了(~1:09)
  10. Excelファイルを開くと(手作業)、1.のファイルの中にIDが書き込まれている

これって、手作業でやると、もっと時間がかかりますが、自動化すると早い。

これまで画面上で、複数のウィンドウをまたがって行ったり来たりする操作は、人間が目で見てマウスなどを使ってやっていました。

このRPAというのは、これまで人が画面上で行っていた操作そのものをまるっとコンピューターに記録してしまい、記録した操作をそのままコンピューターが実行するよう置き換えてしまうというものなんです。

画面で何をクリックしたとか、どこに何を入力したとか、画面での操作そのものが記録できます。

このRPA、すでに大手の銀行とかも取り入れ始めているらしいです。

システムを設計している立場から考えると、ちょっと不思議な気がします。

そもそもコンピューターにやらせることができるなら、それも含めてシステムにしてしまえばいいのではないか、とも思います。が、きっといろんな経緯があるのでしょう。

 

AIの話がでると、よく人間の仕事の大部分が将来AIに置き換わるようなことが言われます。

これは、AIが現在達成している技術から考えると、まだまだ現実的な話ではありません。

ただ、人が行う操作そのものを記録してコンピューターにやらせるRPAは、本当に人間の仕事を奪うのかもしれません。

現時点では、これらのRPA製品が高価であるため、すぐに導入とはいかないのでしょうが、

  • 会社を辞めることがない
  • 24時間文句も言わず働ける
  • 一度記録すると、ミスなく同じ操作ができる
これって、強力な武器であり、人の働き方自体を変えてしまう力があると思います。
ただ、RPAは記録した通りのことしかできません。言い換えると、細かい判断が必要になる操作には対応できません。
これは、とてもプログラミングに近い知識をもっていないと、使いこなすのが難しいとも言えます。

追記

人がやる作業をコンピューターにやらせるというと、組立工場のロボット、銀行のATM、などが思い浮かびます。

きっとコンピューターでできる事は、コンピューターにやらせるという流れは、人口減少社会ではこれからも進むのだと思います。

そういう意味では、プログラミングのニーズは、これからも大きなものになると想像します。

 

さらに詳細を知りたい方は、個別に説明しますので、別途ご相談ください